企業で仕事をしていると皆さん何かしらの不平や不満はあると思います。
会社の成績は年々上昇し、顧客からの評価は良い。
しかし、勤務する社員からの評価は低い...
日本企業が大きく成長できない最大理由は、組織に問題があるからだと私は考えます。
今回、社員の満足度が低い会社の特徴を解説します。
あくまでもヒアリング調査を行った結果より導き出した「個人の見解」となります。
正直どの企業でも1つは当てはまるのではないでしょうか。
目次
社員満足度が低い会社の特徴6選
社員を平等に評価しない
まず退職理由不動の1位である「評価」についてです。
前提として、「評価しない=給与が低い」とします。
基本的な特徴としては、社員を平等に評価しないことです。
感情で評価する
「Aさんは、結果は出なかったけど頑張っていたから評価しよう」
「Bさんは、結果は出ているけど、飲み会の参加率は少ないからな・・・」
上記例の場合、Bさんからしたら結果の出ていないAさんが評価されていて、結果の出ている自分は評価されていないと思うでしょう。
このように、評価が評価者の感情で決まることは、企業では往々にしてあります。
実績も出さず、評価者へのアピールだけで昇進した人もたくさんいます。
また、こんな事例もあります。
Aさん「毎日遅くまで残業をしている」
Bさん「効率的に作業し、毎日定時で帰る」
通常はBさんが評価されるはずですが、なぜかAさんの方が評価されます。
評価者がよく残業をする人の場合、そのようなことになります。
評価者がBさんの効率の良さを見ていないことも考えられます。
これは平等な評価と言えないですよね。
プロセスを評価する
Aさん結果は出てないけど頑張ってたから評価しよう。
頑張って結果を出したBさんからしたら納得がいかないですよね。
プロセスで評価することも、平等に評価がされなくなります。
事業として、結果に差が出ないような業務をしている企業でよくあることです。
どれだけ評価者の記憶に残ったかで差がついてしまいます。
①でも紹介した「残業が多い」Aさんが評価されるのもこちらに該当します。
家に帰って自己研磨をし、業務を効率化しているBさんからしたら納得いきませんよね。
若いを理由に昇格させない
結果を残したAさん(28歳)
結果が微妙なBさん(35歳)
この場合は、年齢的な要素でBさんが昇格することはよくあります。
Aさんが理由を聞いても上司からフィードバックは「若いから・・・」っと
このように年功序列的な要素で昇進が決まる企業は、若者の会社に対する満足度は低いです。
リソースが足りていない
業務に対して、リソース(社員数)が足りていない企業は、管理職に業務が偏り、管理職も業務を部下に譲らないことがあります。
管理職としては、自分が任された仕事なので、自分で行い成果を出そうと考えます。
そうなった場合に、管理職は職位としての責務よりも経営層からの業務を優先的に実施するようになります。
つまり、部下の育成やマネジメントが後回しになるわけです。
部下が上司に要望を伝えたとしても後回しにされ、部下はただ待つだけになります。
さらに部下の業務が良く見れていないので、評価も曖昧な評価になります。
部下としては当然不満は溜まりますね。
プレイングマネージャー(プレイヤーとして業務する管理職)が多い企業にはありがちです。
1人の管理職で10人以上の部下がいる組織形態でも同じことが起こりうるでしょう。
具体的には、ギリギリの人数で業務を遂行している中小企業でそのような状況が見られます。
人材派遣が中心
特にSESとして顧客先常駐型で業務を行っている企業が当てはまります。
理由としては、上司が部下の業務を一切見ていないことが起きうる点です。
具体的には、部下はA会社に常駐し、上司はB会社に常駐している状態です。
当然近くで業務を見ていないので、上司は部下が何をしているかわかりません。
部下が何をしているかわからないので、評価としても曖昧になります。
「リソースの足りていない企業」と同様に、IT企業の管理職はプレイングマネージャーが多いです。
顧客先業務としてしなければならない業務と自社の業務を行わなければならないので、部下は放置されることが多いです。
顧客先に常駐して業務を行っている方は、このように放置されていることに不満を持っていました。
成長しようとしない上司がいる
自己のスキル向上や新しいことにチャレンジしない上司の場合、部下がいくら努力して何かを身に付けてたとしても、評価に直結する可能性は低いです。
部下がいくら研修に参加しても、上司はなんとも思いません。
言葉では、「自分も行かないとな」とおっしゃるかもしれません。(結局行かないですが)
中には忙しかろうと、セミナーや研修に参加、読書をする上司もいます。
過半数は、忙しさや家庭を言いわけに、自己啓発はしないでしょう。
向上心の高い人からしたら、そんな上司の下にいるのは不満でしょう。
ですが、裏を返せば部下は上司と差をつけるいい機会です。
上司が昔の余韻に浸っている間に、自分を磨きましょう。
たとえ評価されなくとも、自己啓発は続けるべきです。
評価のためではなく、あくまでも自分自身のためにしましょう。
学ぼうとしない、成長しようとしない人は今後管理職として不要になるでしょう。
情報連携をしない
経営層の決定や今後の方針など、決定したことに対して末端社員まで情報連携がされない企業も組織として問題があります。
つまり、隠蔽体質の企業です。
情報連携がされない企業の管理職は、情報を誰に連携しようか選びます。
「情報を持っている人が偉い」と勘違いしている管理職がいると末端社員まで情報が行き渡りません。
会社で何かを取り入れる場合も、「~します」のみで、なぜするのかは説明しないこともあるでしょう。
やる側からしたら背景も目的もわからないので、納得して実施には至らないです。
そして、企業としてマイナスな情報は特に連携しないでしょう。
共有すると社員を不安にさせてしまうということで、共有しないわけです。
未上場の企業の中には、退職者情報、売上さえも社員の共有しません。
同じ会社の社員なのに、共有すべき情報が会社に行き渡らないと不満が溜まりますよね。
施策を投じ、社員の満足度を改善しようとする
退職者が増えたり、社員の満足度が低いと感じた経営者は、新しい施策を取り入れようとします。
組織や体制に問題があることには目を向けず、社員のご機嫌取りのような施策を打ちます。
根本的な課題は組織にあるので、施策を投じようと効果は薄いでしょう。
例えば、マネジメントの一環で1on1ミーティングを取り入れている会社も増えましたが、目的が定まらず、効果が見いだせない企業は後を絶ちません。
結局手段としてしか考えていないので、効果の薄い施策になってしまうわけです。
挙句の果て自然消滅していることもあります。
いかがでしたでしょうか。
組織に問題があるからこそ、社員の満足度は上がらないし、成長できないのです。
これが典型的な日本企業なのです。
そして、こういった組織の問題を改善するのは非常に困難です。
大きな改革を伴います。
改革をしたら社員の半数が退職するかもしれません。
そういったリスクから決断に至れない経営者もたくさんいるでしょう。
しかし、更なる成長をするには必要なことだと思います。
不満はあるが、今いる企業で今後も仕事をしていきたいと考える方は、他の社員と協力を行い改善を進めてください。
所属企業に思い入れがない人は転職してもよいでしょう。
記載した6選は企業体質なので、すぐに改善することはできません。
改善には経営者としても決断が必要になります。
社員の退職や売り上げの減少などリスクが伴います。
結果改善されないので、それが嫌な人は待っていても状況は変わらないでしょう。
経営者の方へ
社員の満足度も顧客同様重要なのです。
私は、社員の満足度を犠牲にし、顧客の満足度を高めようとする企業のような社員を粗末に扱う企業は、今後勝ち抜くことはできないと考えます。
社員がいなければ、事業を行うことができないのです。
顧客としても、いつ空中分解するかわからない組織からサービスを受けたいでしょうか。
少なくとも私は受けたくないです。
今一度会社や社員を見渡してください。
何かに気が付くことでしょう。